「神社・仏閣はお参りする場所で写真を撮る場所ではない」

この言葉はほどんどの神社関係者さんと写真撮影について話すと必ず出てくる言葉です。この言葉の背後にはカメラマンに対して、そしてご家族に対して「神様と他の参拝者への配慮を忘れないで欲しい」「撮影とお参りとが逆転しないように」という想いが込められているのではないでしょうか。近年撮影禁止の場所が増えている理由もこうした「配慮」に欠けた撮影が大きな原因となっています。

1.カメラマンも参拝者の一人としての自覚を持つこと

境内に入ったらたとえご家族からの依頼であっても「カメラマンも参拝者の一人」です。これもある神社関係者さんが話された言葉。この意識をもって撮影に望むだけでも立ち振る舞いが変わります。鳥居や門で一礼、手と口を清めてお賽銭箱の前でご挨拶しています。参拝者の一人としての自覚があれば自然に行動するようになるでしょう。さらに社務所、またはご祈祷受け付けのところで、スタッフの方にご挨拶し訪問の理由をお伝えさせていただいています。

2.敷地内の建造物は大切に

神社やお寺を他人のおうちとイメージしてみると、勝手に敷地内に入ったり、無言でおうちの中に入ったり、テーブルに腰掛けたり、椅子の上に登ったりはしませんよね。まして神社、仏閣の建造物は意味があって置かれています。それを大切にする心を持ちたいものです。

3.他の参拝者への配慮が求められている

撮影に集中してしまうと当然周りの状況が見えなくなります。例えばお賽銭箱の前で手を合わせるシーンなど、ご家族の後ろに並んでいる場合は撮らないという選択肢もありますが、せっかくのお参りシーンなのでほんの数カット流れに任せて撮らせて頂いています。

見栄えを良くする為に二礼・二拍手・一礼を何度もさせるところを時々見かけますが、背後に列を作ってしまい他の参拝者を待たせてしまったり、列が出来る原因にもなるので他の参拝者がいないときをなるべく見計らって撮っています。

本殿前や鳥居前、手水舎など見栄えの良い場所でも同様に他の参拝者に配慮した撮影を心がけています。さらには、境内で見かけるシーンが大声でカメラマンがお子様の名前を連呼している様子です。神社や他の参拝者に不快感を与えかねません。私が気をつけていることのひとつです。

4.撮影が終了したらご挨拶

境内を出るとき、または撮影後、受付で一言お礼を言って帰ります。よそのおうちに言ったら必ず挨拶して帰るのと同じですね。また神様へも「また来させていただきます、今日は有難うございました」と心の中で鳥居のところでつぶやいて感謝の気持ちを伝えています。

5.まとめ

七五三やお宮参りの出張撮影は毎年前年度2倍の数で増えています。カメラマンの数も増えていますが神社での撮影マナー、撮影方法を知らないカメラマンもいます。まずはカメラマン自体が神社とは本来写真を撮る場所ではなくお参りする場所だということを理解したうえで、神社と他の参拝者に配慮した撮影が求められるでしょう。ファミリースタイルフォトでは神社出張撮影マナー講習会もほぼ毎月行っておりますので関心のある方はぜひご参加下さいね。

神社出張撮影マナー講習会