出張撮影禁止の神社さんをこれ以上増やさないために

狛江市・調布市・世田谷エリア、その他東京近郊で出張撮影カメラマンをしている織田隆一です。前回出張撮影禁止の神社さんについてお知らせしましたが、こういう背景にはいろいろな事情があるということを今回はお伝えしたいと思います。

・神社は写真を撮る場所ではない

そもそも神社は写真を撮る場所ではないということをはじめに私たちは知っておく必要があります。それは多くの神社関係者さんから実際に聞いている言葉です。ロケ撮影セットとは違うのです。ここを理解しないと無謀な撮り方をしてしまいがちです。

七五三神社出張撮影

七五三神社出張撮影

 

1.神社出張撮影が始まった背景

お宮参りや七五三など神社撮影が始まった背景についてお伝えします。もともとは婚礼の神前式を神社で行ったご家族がその後子供が生まれお宮参りを自分たちが結婚式を挙げた神社で行いたい、そしてそこにカメラマンを同行させて参拝の様子を写真に撮ってもらいたいというご要望から始まりました。 それまではお宮参り写真と言えば写真館に行って祝着を羽織って写真だけ撮る習慣がありましたが、私の場合は公園など野外で撮影をするため、その時に、「だったら神社にも来てもらえます?」と言われたのが最初でした。

2.スタジオ撮影と神社撮影との根本的な違い

スタジオや写真館などでのお宮参り、七五三撮影は基本的に記念写真です。最近では表情やナチュラルな雰囲気の写真を撮るところが主流になりつつありますがもともとは家族写真がメインの記念写真でした。

神社撮影はドキュメンタリー写真の部類に入ります。それはお参りやご祈祷は神事であり儀式ですからその流れに沿って撮影は行われます。よって神社でのお宮参りや七五三撮影はスタジオや写真館のような記念写真ではなく、ドキュメンタリーフォトや、スナップ写真なのです。

ただし、時には見栄えの良い背景で家族写真を撮ってほしいというご家族のご要望がありますからそれにもお応えしなくてはなりません。しかしあくまでも神事、極端に言えば婚礼撮影と同じだともいえますね。

3.マナー講習会開催のきっかけ

神社撮影マナー講習会を2018年8月から知り合いのカメラマンさんを集めて始めたのが最初でした。きっかけは撮影禁止の神社さんが出てきたこと。特に私にとっては近所で良くお邪魔していた、大國魂神社さんが撮影禁止になったことでした。外部カメラマン禁止の神社さんに理由を聞いてみると、他の参拝者に対して迷惑行為を行っている業者カメラマンが増えたことがまず第一に挙げられます。

見栄えの良い背景で家族写真を撮るために「5分10分その場を占有して他の参拝者が撮りたいのに動かない」そのように神社関係者の方が私に話してくれました。また、「勝手に神社敷地内に入り、ご祈祷もせずに写真だけ撮って帰る」という話もいたるところで聞きました。

このように神社撮影禁止になる背景には神社撮影経験の浅いカメラマンの行為が原因になっているということを知り、このままではもっともっと増えてしまうと思い、宮司さんや神主さん、禰宜さんなど神社の役職の皆さんとお話しして得られた情報をもとに神社撮影マナー講習会をスタートさせました。

4.神社さんとの良好な関係性を築く

今後私たちのような出張撮影カメラマンがご家族の希望に沿って神社撮影を継続していくためには、神社さんとの良好な関係づくりは欠かせません。しかし、神社特有ルールやマナーなどの情報が得られにくいのも確かです。

今ま約300名ほどのカメラマンさんが撮影マナー講習会に参加してくださり神社のルールやマナーについて知る機会を作ることができました。しかし、まだまだ神社撮影について知らない方もたくさんおられますので、今後も神社関係者の方とも交流を図りながらマナー向上に努めていきたいと思っています。

神社撮影マナー講習会

神社出張撮影マナー講習会(名古屋地区)

5.まとめ

出張カメラマンが出入り禁止になってしまう背景にはそもそもカメラマンが神社という場所が写真館やスタジオと同じく写真を撮る背景と理解していたことが挙げられます。撮影禁止の神社さんにとっては苦渋の決断だったと言えるでしょう。そうすることで参拝する地域のご家族が減ってしまう可能性もあるからです。

夏が終わればいよいよ七五三シーズンに入っていきます。私たちカメラマンは神社撮影禁止や制限ができた理由を理解したうえで各自が神社と他の参拝者に配慮した撮影を心がけていきましょう。

狛江市のお宮参り・七五三撮影
ファミリースタイルフォト
狛江市東野川3-17
織田隆一

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