私のような神社で七五三を撮る出張カメラマンには写真を撮ること以外に重要な役割があると感じています。
それは「ご家族が快適に参拝できるようにコーディネートする役割」です。
七五三のお参りというのは、子供の成長を祝う上での一大イベントですね。
その記念日を快適に過ごせるようにお手伝いするのが、カメラマンのもうひとつの役割。
というのは、神社に行くと大人が子供を叱ったり、子供がギャン泣きしている場面を必ずと言っていいほど見かけます。
また、中には境内で夫婦で言い争っている場面なども見かけます。
そのたびに私自身も胸が痛みます。
先日も原宿にあるとっても大きな神社に行ったとき、ギャン泣きの女の子がいました。
パパがカメラを構えてママと娘ちゃんの写真を撮ろうとしていました。
大勢の人々が行き交う背景でママの表情を見たらとても辛そうでした。
子供も親も辛い七五三のお参り。
それも思い出と言えば思い出かもしれませんが出来れば穏やかに記念日を過ごしたいものです。
見ていて私の気持ちも辛くなって、私はその女の子に話しかけました。
「どうしたの?」
そして私がいつも携帯している鈴(女の子が草履を履きたがらない時に草履に付けてあげる)を女の子に手渡しました。
すると3歳の女の子のギャン泣きが一瞬で止まったのです。
すぐにその場を離れたのでその後どうなったかは分かりませんが、泣き声は聞こえませんでした。
記念日のためにずっと前から準備してきた御父兄の気持ちを考えると、私も3人の子供を持つ父親としてその気持ちが痛いほど良く分かります。
イライラしたり、心の中では泣きたい気持ちになるかもしれません。
でも子供に当たることは出来ない。
ちょっとおせっかいだったかも知れませんが、おせっかいを選択しました。
そんな記念日を穏やかに、そして快適に、楽しく過ごし、思い出として残していただくために私たちカメラマンが出来ることがあります。
なので、カメラマンさんたちと一緒に如何に写真撮影を成功させるか、撮影中パパやママ、そしてご両親が快適に過ごせるためにどんな工夫が出来るかを共に学ぶ機会を作っています。
お子様がどんな状態でも、私たちに出来ることをする。
それがお子様のため、そしてご家族のためだとするならば。
まだまだ七五三撮影は続きますが、カメラマンとして写真を撮る以外の役割を意識しながらご家族の良き思い出のために頑張りたいと思います。
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